【感想・評価】Netflix独占映画『アイリッシュマン(ネタバレ)』レビュー

クライム映画のレビュー
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ロバート・デ・ニーロ主演『アイリッシュマン』のレビュー。

アル・パチーノとジョー・ペシも出演。

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紹介

アイリッシュマンのストーリー

20世紀の名立たる悪人たちと関係していた元軍人の暗殺者フランク・シーラン。

彼の視点から描かれるのは、今なお未解決とされる労働組合指導者ジミー・ホッファの失踪事件。

巨大な組織犯罪と、その背後でうごめく権力争いや政権との繋がり…。

第二次世界大戦後のアメリカの闇の歴史を、数十年にわたって紐解いていく。

引用元 – Netflixより

アイリッシュマンの出演陣

役者 役名
ロバート・デ・ニーロ フランク
アル・パチーノ ジミー
ジョー・ペシ ラッセル
ボビー・カナヴェイル フェリックス
レイ・ロマーノ ビル
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感想

一人の男を通して描くアメリカ史

実在したフランク・シーランの回想で始まる本作。

かつて”ザ・アイリッシュマン”と恐れられた男とは思えないほど老け込んだフランクの昔話は、彼の人生そのものであり、彼が見て来たアメリカ史そのもの。

約3時間半にも及ぶ超大作の本作では、しがないトラック運転手だったフランクがマフィアのボス、ラッセル・ブファリーノと出会い、裏社会の一員として暗躍し、そして現在に至るまでの出来事を余すところなく描きます。

また、フランクはマフィアの一員である同時に”マフィアの資金源だった”「全米トラック運転組合」の一員としても活動しており、二つの視点からアメリカを見ていました。

映画ではマフィアの収入源としての組合や、ケネディ一族に代表される政治との癒着を、フランクが見聞きした出来事として描いており、もう一つのアメリカ史が浮かび上がって来ます。

さらに映画ではより踏み込み、選挙に協力した恩義を忘れて裏切ったケネディ一族への激しい怒りと、その報復も描かれます。

(マフィアはケネディ大統領を支援することでキューバからカストロを追い出し、奪われた利権を奪い返すつもりでいた、という)

マフィアの一員でもあり、組合の一員でもあるフランクの回想は、彼自身の目を通して見てきた教科書には載らないアメリカ史でもありました。

人生、友情、後悔

ラッセル・ブファリーノ繋がりで、ジミー・ホッファと知り合ったフランク・シーラン。

利害が一致していたこともあり、3人は親交を深め、特にフランクとジミーは家族ぐるみの付き合いにまで発展します。

しかし、ジミーが投獄された辺りから雲行きが怪しくなって来ます。

投獄中に組合長の座を奪われたジミーは、”自分の組合を取り戻す”という目的のために活動を始めるのですが、それはフランクやラッセルにとっては喜ばしくないことでした。

フランクやラッセルは懸命にジミーを説得しようとしますが、”マフィアを手先にして上手に利用している”と思い込んでいたジミーは一切聞き入れず、3人にとって最悪の結果を迎えることに。

3人の友情も”裏社会の掟”の前では何の意味もなく、フランクがジミーを処刑するシーンは、相手が友人であっても日常の一コマのように殺すことができるマフィアの無情さや残忍さに背筋が凍ります。

結局、友人だったジミーを殺したフランクは、妻とは死別し、娘たちからも避けられ、唯一残った友人のラッセルにも先立たれてしまい、一人ぼっちに。

手元に残ったものは”友人を殺した”という事実と、自分を遠ざける家族だけ。

自分の選択と、それによってもたらされる結末を噛み締めるフランクのラストショットは、命がけで裏社会を生き抜いて来た男に相応しくも、あまりに寂しい結末でした。

CGによる若返りの程は?

この映画のもう一つの目玉はCG技術による俳優の若返り。

『アイリッシュマン』では、ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシの3人がCGで若く加工されており、実際の年齢よりも20歳近く若い人物を演じています。

さすがに『グッドフェローズ』の頃と全く同じではないけれど、個々の動作や話し方に至るまで年齢に合わせているということで、意外にも違和感はありませんでした。

まだまだ技術的に改善される余地はあるように思えたものの、マーティン・スコセッシ曰く”業界初の試みであるCGによる若返り”を長編映画でやってのけたことは素直に感心しました。

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“カジノ”との繋がり

95年に公開されたマーティン・スコセッシ監督の『カジノ』。

実はその映画の舞台である【タンジール】というカジノは、ジミー・ホッファが牛耳る年金基金から出資を受けて経営されていたカジノ【スターダスト】がモデル。

よって、『カジノ』とセットで観るとより楽しめます。

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まとめ

素晴らしい映画でした。

マーティン・スコセッシ監督の作家性や先見性が炸裂した作品になっており、ロバート・デ・ニーロ、アル・パチーノ、ジョー・ペシの演技も映画に命を吹き込む。

本作のように「一秒足りとも見逃したくない」と感じられる映画はそう多くありません。

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